ECと店舗の在庫管理、同じ在庫で回していませんか?チャネル別保管の考え方
在庫は1つなのに、なぜこんなに混乱するのでしょうか?
ECと実店舗、どちらも同じ商品を扱っている。
在庫も同じ。数量も合っている。
それなのに——
- ECでは在庫があるはずの商品が欠品表示になる
- 店舗納品分が足りない、または余る
- 棚卸のたびに在庫差異が発生する
こうした悩みを抱える企業は少なくありません。
そして多くの場合、原因は「管理が甘い」「確認が足りない」と片づけられがちです。
しかし実際には、在庫の持ち方そのものが、構造的に無理をしているケースがほとんどです。
EC出荷と店舗納品は、そもそも別物
まず前提として押さえておきたいのは、
EC出荷と店舗納品はまったく性質の違うオペレーションだということです。
EC出荷の特徴
- 小口・多頻度
- 1点単位のピッキング
- 当日〜翌日出荷が前提
- 誤出荷=即クレームにつながる
店舗納品の特徴
- ケース・ロット単位
- 定期納品・一括納品が多い
- 納品日・納品時間の制約
- SKU混在より数量管理が重要
この2つを、
同じ在庫・同じ棚・同じ動線で回そうとすること自体が、実はかなり無理のある設計なのです。

なぜ誤出荷・在庫差異が起きるのか?
「同じ在庫なのに、なぜズレるのか?」
その答えはシンプルです。
在庫の“取り合い”が起きているからです。
- ECで急な注文が入る
- 店舗納品分として確保していた在庫を崩す
- 数量調整が間に合わない
- 結果、どちらかが欠品・過剰になる
この状態では、
どれだけWMSやシステムを整えても、
現場は常に“綱渡り”になります。
問題は、
「在庫数が合っていないこと」ではなく、
用途の異なる在庫を、同じ場所で管理していることなのです。

“同じ在庫”という考え方を一度手放す
ここで重要なのは、
「商品は同じでも、在庫の役割は違う」という視点です。
- EC用在庫:すぐ出る・すぐ動かす
- 店舗用在庫:計画的に動かす・まとめて動かす
役割が違うなら、
置き場所が違っても不自然ではありません。
むしろ、
同じ場所に置き続けることの方が、
誤出荷・作業ミス・在庫差異を生みやすい構造になっています。
分散保管という選択肢
ここで出てくるのが、
チャネル別に在庫を分けて持つ「分散保管」という考え方です。
- EC向け在庫:出荷スピード重視の拠点
- 店舗向け在庫:納品計画に合わせた保管拠点
- 販促・予備在庫:一時保管用の外部倉庫
すべてを完全に分ける必要はありません。
「動きの違う在庫だけを外に出す」だけでも、
現場の負担は大きく変わります。
分散すると、現場で何が変わるのか?
分散保管を導入した企業からよく聞くのは、
次のような変化です。
- ピッキングミスが減る
- 在庫差異の原因が明確になる
- ECと店舗の調整業務が減る
- 「今どの在庫を優先すべきか」が分かりやすくなる
つまり、
在庫が増えたわけでも、売上が変わったわけでもないのに、
現場の混乱だけが減るのです。

soucoを使った分散保管の考え方(例)
soucoでは、
EC・店舗を併用する企業向けに、
以下のような分け方が取られています。
- 主倉庫:EC出荷用の即動在庫
- 外部倉庫:店舗納品分・予備在庫
- 繁忙期のみ:一時的なバッファ拠点として活用
重要なのは、
「ECか店舗か」ではなく、
“どの在庫が、今すぐ動くべきか”で分けている点です。
まとめ:在庫を分けるのは、管理を楽にするため
ECと店舗を同時に運営している企業ほど、
「在庫は一元化すべき」という考えに縛られがちです。
しかし実際には、
用途が違う在庫を分けることこそが、管理をシンプルにする近道です。
もし今、
- 在庫差異が頻発している
- 現場が常にバタついている
- ECと店舗の調整に時間が取られている
そんな状況であれば、
それは人や仕組みの問題ではなく、
在庫の置き方を見直すタイミングかもしれません。
在庫は「まとめる」だけでなく、
「分ける」ことで、初めて回り始めることもあるのです。