物流パレットとは|種類・材質・規格サイズについても解説

souco編集部
物流パレットとは|種類・材質・規格サイズについても解説
(画像:iStock)

現在の物流業界において見かけない日はない「パレット」。多様な種類のパレットが日本の物流を支えています。パレットの素材や形状によっても特徴やメリットが異なり、使用している業界もさまざまです。
本記事では物流業界で使用されているパレットの種類や材質、規格について解説します。

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パレットとは

パレットとは保管や運搬の際に荷物を載せる荷役台のことで、数える時の単位は「枚」です。
パレットを使用することで複数の荷物をまとめて保管・管理でき、作業効率の向上が見込めます。ただし、フォークリフトやハンドパレットトラックで運ぶことを前提としているため、1枚あたりの重量は約10kg~30kgほど。一方で近年は輸出用に軽くて安いパレットの開発が進んでおり、プラスチック製で重さ5.8kgの商品も登場しています。

パレットには、載せる荷物に合わせてさまざまな「サイズ」「素材」「形状」が存在しています。それぞれどのような特徴やメリットがあるか詳しく解説します。

物流パレットの材質による違い

木製パレット

木製パレットとは名前の通り木で作られており、リサイクルできるため環境に優しいパレットです。2021年には約3,345万枚も生産されており、生産数量1位(※)となっています。
昨今ではDIYで用いられることも多く、物流現場以外でも見かけるパレットです。

※一般社団法人日本パレット協会「年度別パレット生産数量(枚)」より

プラスチックパレット

プラスチックパレットはポリプロピレンやポリエチレンといった合成樹脂を使用して作られたパレットです。
軽量かつ低コストで、洗浄できるため衛生的に使用できます。また、不要になったり破損した場合でもリサイクルが可能です。

金属製パレット

金属製パレットは耐久性が高いのがメリット。また、パレットを洗浄できるため衛生的です。
特にアルミパレットは軽量かつ錆が発生しにくいのが特徴で、スチールパレットは1トン以上の耐荷重を誇るものもあるなど頑丈なのがポイントです。

段ボールパレット

段ボールでできているため、とても軽いパレットです。人の手で持ち運ぶこともでき、作業者の負担を軽減できます。
また、最近では5t以上の耐荷重を誇る段ボールパレットも登場しており、重量物も安心して載せることができます。パレット自体の重さが軽いため、重量制限のある空輸輸送にも適しているパレットです。

素材ごとの特徴の比較

比較項目 プラスチック 金属 段ボール
重さ
(スチールよりアルミの方が軽い)
サイズの自由度
(新しい金型が必要)
衛生面
(洗浄できない)
耐久性
(長期間の使用は想定されていない)
耐水性
匂い
(木材の匂いが荷物に付着する可能性)
輸出規制
(輸出前に熱処理や燻蒸処理が必要)
補修性
リサイクル性
(廃棄されることが多い)
廃棄処理 産業廃棄物扱い 産業廃棄物扱い - -
品質安定性
(素材によって異なる)
コスト

物流パレットの形状による違い

平パレット

平パレットとは、物流センターや運送業界で使用される一般的なパレットのことで、表裏に面のあるタイプを指します。(片面のみの場合はスキッドと呼ばれます)

メッシュパレット

金属でできた網状の板を組み合わせて箱型にしたパレットです。
使用しない時は折りたたんでコンパクトに保管できるのが魅力。主に荷物の運搬や保管で使われることが多く、段積みが可能です。

ロールボックスパレット

ロールボックスパレットは別名「カゴ台車」とも呼ばれており、開口部以外の3方向が格子状や網状のスチール製の枠で囲われた台車のことを指します。
周囲が囲われているので荷崩れのリスクは非常に少なく、一度にたくさんの荷物を運べる上に、そのまま陳列棚としても使えるのが特徴です。

ポストパレット

ポストパレットとは底面の四角に柱が付いており、パレットとラックの両機能を備えているマテハン機器です。建築資材やロール物といった長尺物の保管に優れているほか、多段積みも可能でスペースを有効に活用できます。

シートパレット

特殊クラフト紙や合成樹脂を素材とした薄いシート状のパレットです。一般的な2本の爪を持つフォークリフトではなく、シートパレット専用のフォークリフトを使います。
主に段ボール箱または米や肥料の入った袋をシート上に積み重ねることで、保管や輸送の効率をアップします。

サイロパレット

サイロ(漏斗)のような形状をしたボックスパレットです。主に粉状、飼料を運ぶことを目的として製作されています。上部にフタがあり側面は密閉されている形状で、下部には粉粒を取り出すための開閉口があります。

タンクパレット

主に液体状のものを運搬するときに使用されます。側面は密閉されており、上部または下部に出し入れ口があります。

パレットの規格やサイズ

日本国内で使用されているサイズ

日本のパレットの標準サイズはJIS規格の「JIS Z 0601」で1,100mm×1,100mm×144mmと定められています。別名「T11型パレット」「イチイチパレット」とも呼ばれているサイズです。

その他にも

  • 1,100mm× 800mm
  • 1,100mm× 900mm
  • 1,100mm×1,100mm
  • 1,300mm×1,100mm
  • 1,400mm×1,100mm
  • 1,200mm× 800mm
  • 1,200mm×1,000mm
  • 1,440mm×1,130mm

といった寸法が規格として定められていますが、上記以外をオーダーメイドで新しく作るケースもあります。

海外で使用されているパレットのサイズ

国名 サイズ
アメリカ 1,219mm×1,016mm(48インチ×40インチ)
韓国 1,100mm×1,100mm
オーストラリア 1,165mm×1,165mm
ヨーロッパ 1,200mm×800mm または 1,200mm×1,000mm

業界別で使用されているパレットのサイズ

業界名 サイズ 特徴
酒類業界 1,100mm×900mm 酒類業界で使用されているのは通称「ビールパレット」と呼ばれる、ビールケースを6箱乗せられます。
食品業界 1,100mm×1,100mm 多くのパレットが洗浄可能なプラスチック製です。
冷凍食品業界 1,200mm×1,000mm ポリプロピレン製は冷凍下で衝撃に対して脆くなるため、ポリエチレン製を使用します。
医薬品業界 1,100mm×1,100mm GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)によりプラスチック化が進んでいます。
化学業界 1,220mm×1,220mm ドラム缶4本を積載できます。

パレットパターンの種類

パレットパターンとはパレットに荷物を積む際の並べ方のことです。デリケートなもの以外、荷物は上に積み上げる場合が多く、1段ごとに載せる荷物の個数によっても並べ方が異なります。
荷物に合った並べ方をすることで、荷崩れや荷物の破損を防ぐことができるため、代表的なパレットパターン6種類についておさらいしましょう。

ブロック積み

パレットパターン - ブロック積み

ブロック積みとは荷物を同じ方向に並べる積み方で、平積みとも呼ばれています。積み方がシンプルなので、荷物をまとめて取り出せるのがメリットです。

交互列積み

パレットパターン - 交互列み

ブロック積みの応用で、段ごとに向きを90度変えて積み上げる方法です。
簡単に積める上にブロック積みより荷崩れしにくいものの、荷物の形が正方形に近いとブロック積みと変わらず、あまり意味がありません。

ピンホール積み

パレットパターン - ピンホール積み

長方形の荷物を正方形に積む際に用いられるパレットパターンです。真ん中に空いた空間が空気の通り道となるため、冷蔵などの温度管理が必要な荷物に向いています。

ダブルピンホール積み

パレットパターン - ダブルピンホール積み

ピンホール積みの応用で、1つの段に空洞が2つできます。積み付け方法が複雑なため、作業効率があまり高くないのが懸念点です。

レンガ積み

パレットパターン - レンガ積み

レンガ積みとは、1つの段で荷物の縦と横の向きを変えて積む方法です。段を重ねるごとに向きを180度反対にして積み上げます。
多少の振動で荷崩れしないことがメリット。また、外側から全ての荷物の側面を確認でき検品しやすいのも特徴の1つです。

窓積み

パレットパターン - 窓積み

レンガ積みの応用で縦向きの列を1列増やした方法です。荷物の側面が必ず見えるため、レンガ積みと同じく検品しやすいのがパレットパターンです。

◯回し◯段切りとは

上記で紹介した積み方以外に「〇回し〇段切り」といった内容で積み方を指示される場合があります。これは1段ごとに荷物を何個置き、それを何段重ねるかを示すものです。

〇回し:1段ごとに置く荷物の個数
〇段切り:同じ向きで詰む段数

例)4回し2段切りの場合
荷物を4個置いた状態を1段とし、同じ向きで2段重ねた後に向きを変えるという意味になります。

まとめ

材質やサイズ、形状によってさまざまな特色があるパレット。使用することで保管や輸送効率が向上するため、今や物流業界にとって無くてはならない存在です。
ただ荷物をパレットに載せるだけではなく、荷物に合わせた最適なパレットや積み付け方を選ぶことで、劣化や破損を防ぐだけでなく作業効率アップにも繋がります。

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よくある質問
パレットはどのように使われていますか?
保管や運搬の際に使われているマテハン機器です。パレットの上に複数の荷物をまとめて積むことで、作業効率の向上が見込めます。
パレットで使われる材質には何がありますか?
最も流通している木製パレットを筆頭に、プラスチックや金属、段ボールなどを用いて作られています。素材によって耐久性や衛生性などが異なるため、パレットに載せる荷物に合うものを選びましょう。
記事の執筆者

souco編集部

株式会社souco

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